主催者側が人々の心理的弱点を巧みに利用する構造
大阪万博に限らず、こうした大規模プロジェクトでは、主催者側が人々の心理的弱点を巧みに利用する構造が潜んでいます。騙される人の種類を知ることで、自分や周囲がどのタイプに当てはまるかを見極め、搾取から身を守る意識を持つことが重要です。

大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日開催)に関して、「脆弱層」「リテラシーの低さ」「個人情報の抜き取り」という観点から、主催者(日本国際博覧会協会)や政府に一切忖度せず、危険度の解説を付けました。これらは公開情報や報道、専門家の指摘に基づく分析であり、忖度なく客観的かつ批判的にまとめています。
個人情報の抜き取りやパスワード開示を異常と思わない人は、以下の要素が複合的に絡んでいることが多い
- 慣れと無知: 日常での情報提供が当たり前になり、何が危険か分からない。
- 信頼と楽観: 主催者への過信と、「自分は大丈夫」という思い込み。
- 回避と報酬: 考える手間を省き、目先のメリットを優先。
この心理が危険なのは、搾取する側がこれを意図的に利用している点です。万博のようなケースでは、異常性を気づかせないまま同意を取り付け、データが悪用された後で初めて被害に気づく可能性が高い。特にリテラシーの低い層や、心理的バイアスに自覚のない人は搾取の標的となりやすく、気づいた時には取り返しがつかない状況に陥りかねません。異常と思わないことが、異常な状況を許してしまうのです。

騙される人の種類とその特徴
1. 権威に盲従する人(オーソリティ・バイアス型)
- 特徴: 政府や公式機関、大企業が発信する情報を疑わず、「お上が言うなら正しい」と信じ込む傾向がある。
- 騙されやすさの理由:
大阪万博では、主催者(日本国際博覧会協会)や政府が「経済効果2兆円」「未来の技術展示」といったポジティブなメッセージを強調し、安全性や個人情報の問題を曖昧にしている。これを「国がやるイベントだから大丈夫」と受け入れる人は、メタンガス爆発やデータ収集の実態を自分で調べず、権威の表面的な保証に依存してしまう。 - 例: 「政府がそんな危険なことするわけない」と考える高齢者や、公的機関への信頼が過剰な人。
2. リテラシーが低い人(情報処理能力不足型)
- 特徴: メディアやデジタル情報の真偽を見抜く力が弱く、複雑な規約やリスクを理解するのが苦手。
- 騙されやすさの理由:
万博の「万博ID」登録では、長文の規約に個人情報の第三者提供が含まれていても、それを読み解く力がない人は「まあいいか」と同意してしまう。また、メタンガス問題や建設費膨張の報道を見ても、それが自分にどう影響するかを想像できず、参加を決めてしまう。デジタルリテラシーが低い高齢者や、ネット検索で一次情報を確認しない人は特に脆弱。 - 例: 「無料招待だからお得」と飛びつく親子や、規約を「面倒くさい」と読まない人。
3. 感情に流されやすい人(エモーショナル・バイアス型)
- 特徴: 「夢」や「未来」「子どもたちのため」といった情緒的なスローガンに弱く、冷静な判断ができない。
- 騙されやすさの理由:
万博の宣伝は「次世代に希望を」「世界が注目する日本の技術」といった感情に訴えるフレーズで溢れている。これに心を動かされ、「参加しないと損」「子どもに良い経験を」と考える人は、リスクを過小評価する。特に子育て世代の親や、ノスタルジーを感じる中高年層がターゲットになりやすい。感情が優先されると、個人情報収集や安全性の懸念が「些細なこと」に感じられてしまう。 - 例: 「万博で子どもが喜ぶなら」と考える親や、「昔の万博が良かったから」と懐かしさに駆られる人。
4. 群衆心理に流される人(バンドワゴン効果型)
- 特徴: 「みんなが行くなら自分も」と周囲の行動に同調し、独自の判断を放棄する。
- 騙されやすさの理由:
万博がメディアで大々的に取り上げられ、学校や地域で動員が進められると、「みんな参加するなら安全だろう」と考える人が増える。これはバンドワゴン効果(多数派に追随する心理)によるもので、批判的な意見や危険性を自分で検証せず、集団の流れに乗ってしまう。特にSNSで「万博楽しみ!」といった投稿を見ると、疑問を持つことなく参加を決意する傾向がある。 - 例: 「友達が行くって言ってるから」と安易に参加する若者や、地域ぐるみの動員に流される人。
5. 経済的誘惑に弱い人(コスト・ベネフィット誤認型)
- 特徴: 「無料」「お得」「限定」といった言葉に釣られ、隠れたコストやリスクを見落とす。
- 騙されやすさの理由:
大阪万博では「子ども無料招待」や「地域住民向け割引」といった経済的インセンティブが用意されているが、これに飛びつく人は、交通費や現地での出費、さらには個人情報提供という「隠れたコスト」を無視しがち。経済的弱者や節約志向の強い人は「お得感」に目が眩み、結果的に搾取されるリスクが高まる。行動経済学で言う「損失回避バイアス」が逆手に取られているケース。 - 例: 「無料なら行かなきゃ損」と考える低所得層や、「限定体験」に惹かれる人。
6. 自己効力感が低い人(諦め型)
- 特徴: 「どうせ何も変えられない」「自分には関係ない」と考え、リスクを知っても行動を起こさない。
- 騙されやすさの理由:
万博の危険性(メタンガス、個人情報収集など)を耳にしても、「抗議しても無駄」「参加しなくても周りがするから」と諦めてしまう人は、結果的に搾取に加担してしまう。特に社会への不信感が強い若者層や、過去に声を上げても無視された経験を持つ人がこのタイプに該当する。自己効力感の低さは、搾取する側にとって都合の良い「従順さ」を生み出す。 - 例: 「どうせ決まったことだから」と参加する人や、「自分だけ辞めても意味ない」と考える人。
7. 好奇心が強い人(リスク過小評価型)
- 特徴: 新しい技術やイベントに惹かれ、「面白そう」「見てみたい」で判断が優先される。
- 騙されやすさの理由:
万博では「空飛ぶクルマ」や「AI技術」といった未来的展示が宣伝されており、好奇心旺盛な人は「貴重な体験」と感じてリスクを過小評価する。個人情報提供や安全性の懸念があっても、「まあ大丈夫だろう」「一度くらいなら」と楽観的に考えがち。特にテクノロジーに興味のある若者や、珍しいもの好きの中高年がこの罠に嵌まりやすい。
コメント