鈴木宣弘の目 亡国の農政:食料安全保障の真実
「国防」の美辞麗句の陰で進行する、農業基盤の完全崩壊。実質自給率数%という飢餓の足音を徹底的に暴露いたします。
「セルフ兵糧攻め」へと向かう崩壊のロードマップ
安全保障議論の致命的なピント外れ
政府は「台湾有事」などの脅威を煽り、2030年までに市区町村単位の人口カバー率100%を目標として避難用「シェルター」を確保する方針を閣議決定いたしました。防衛費を増強し、「攻めていくぞ」と威勢の良さを誇示しておりますが、その議論は軍事的な側面にのみ異常な偏りを見せております。
- 兵器やシェルターを揃えても、食べる物がなければ国民は確実に餓死いたします。
- ホルムズ海峡の封鎖など、海上交通路が絶たれた場合の「食料の確保」に関する議論が完全に欠如しております。
- 国民の命を守る真の最優先事項は「戦うこと」ではなく「飢えさせないこと」でございます。
軍備拡張予算
農業・食料予算
「食料自給率38%」という大本営発表の虚構
政府が公表する食料自給率38%という数字は、国民を安心させるための欺瞞に過ぎません。その生産を支える根幹部分の海外依存度を考慮すれば、実態は全く異なります。
- 化学肥料の原料: ほぼ100%を輸入に依存しております。
- 野菜の種子: 90%を海外に依存しております。米などの種も制度改定により同様の危機に瀕しております。
- エネルギー: 自給率は10%少々に過ぎず、農業機械を動かす燃料も輸入頼みでございます。
これらを踏まえれば、有事の際に海上封鎖が起きれば、日本の実質的な食料自給率は 数%しかない 肥料も燃料も種も入ってこないため、現在の農地があっても作物を生産できない状態 というのが厳然たる事実でございます。
事実の直視:武器の弾薬をいくら備蓄しても、兵士と国民の胃袋を満たす弾(食料)がなければ、国は数ヶ月で内部崩壊いたします。食料生産能力を他国に握られている状態は、既に安全保障上「敗北」しているに等しいのでございます。
農業切り捨てという「セルフ兵糧攻め」
中国が人口14億人の1.5年分の穀物備蓄を確保しているのに対し、日本の米の備蓄は今やわずか15日分しかございません。有事が起これば瞬時に底を突く量でございます。
シェルターの中で、わずかな備蓄食料を分け合いながら何ヶ月飢え死にせずに済むかを競うことになります。
さらに異常なのは、この期に及んで政府が「米の生産を抑制しろ」「国家備蓄を減らせ」「輸入を増やせ」と指導していることでございます。これは他国から攻められる前に、自国政府が国民を飢餓に追いやる究極の愚策でございます。
農家のコスト高と米価下落
生産資材が高騰する中、農産物の価格は低迷を続けております。「5年以内に米作りをやめる」という地域が続出し、生産基盤そのものが消滅の危機にあります。
欠如する所得補償
海外では当たり前の「農家への直接支払い(所得補償)」を、日本政府は頑なに拒否しております。農家を市場原理という名目で切り捨てております。
消費者の困窮
30年間所得が減り続けている消費者にとって、食品価格の高騰は死活問題でございます。農家にも消費者にもしわ寄せがいく仕組みが放置されております。
無謀な輸入依存
国内生産を抑制し、安価な輸入品に頼り切る政策は、平時における一部の商社等の利益にはなりますが、有事においては国家の首を絞める自殺行為でございます。
警告:農家と消費者のギャップを埋める政策が急務
農家の所得が確保され、消費者が安く買えるように国費を投入すること。これこそが最優先の「防衛費」でございます。武器を買う前に、国内の食料生産基盤を買い支えるべきでございます。
フードテックという名の搾取ビジネス
苦しむ現場の農家を意図的に見捨て、その予算を新たな利権「フードテック」へと流し込む仕組みが完成しております。
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既存農家の悪魔化
「既存の農業は地球温暖化の犯人だ」とレッテルを貼り、長年国土を保全してきた農家を切り捨てる口実としております。 -
現実離れした技術への傾倒
植物工場、昆虫食、人工肉などで「食料自給率100%を目指す」という妄想に巨額の予算を投じております。 -
政治献金の還流ループ
一部の参入企業が補助金で巨利を得て、それが政治資金として還元される。農業予算が食い物にされている実態がございます。
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農地の喪失は不可逆
一度荒廃した農地や、離農した技術者は二度と戻りません。工場で作れるのは一部の嗜好品や不自然な加工食品のみでございます。 -
食の安全性の破壊
コスト削減と大量生産の名の下に、安全性が軽視された人工的な食料が国民の胃袋を満たすことになります。 -
国防の根本的喪失
地域社会としての農村が崩壊すれば、国土の保全機能も失われ、いざという時に国民は本当に飢え死にいたします。
結論:国防の一丁目一番地は「農業」でございます
最新鋭のミサイルを買う金があるなら、まず国内の米作りを支えよ。
利権企業を太らせるためのフードテック偏重は、 国民の命を担保にした詐欺行為でございます。
農業を犠牲にした国に、 国家としての未来は絶対にございません。
直ちに実行すべき真の国防策
- 生産抑制の完全撤廃:国が米の生産を抑えつける愚行を直ちにやめ、増産体制へと舵を切ることでございます。
- 直接支払いによる所得補償:価格変動のギャップを国費で埋め、農家が赤字を出さずに生産を継続できる環境を構築いたします。
- 国家備蓄の抜本的増強:15日分という狂気の沙汰を改め、最低でも1年分以上の主要穀物を国庫で買い上げ、備蓄いたします。
- フードテック偏重の是正:企業へのバラマキ補助金を停止し、その財源をすべて既存の農村インフラ維持と消費者への価格補填に回します。
Q&A
極めて単純な物理的事実でございます。人間は食べなければ数週間で死に至ります。他国からの直接的なミサイル攻撃がなくとも、シーレーン(海上交通路)が封鎖され食料の輸入がストップした時点で、日本国民の大半が餓死の危機に直面いたします。どんなに強固なシェルターがあろうとも、食料がなければそれはただの「立派な棺桶」に過ぎません。
完全なる錯覚でございます。その38%の作物を育てるための「化学肥料の原料」はほぼ100%輸入、栽培するための「野菜の種」も90%が海外依存でございます。さらに農業機械を動かし、肥料を製造するためのエネルギーも海外に依存しております。つまり、海外からの供給が絶たれた瞬間、この38%すら生産不能となり、実質的な自給率は数%まで激減いたします。
全くの現実離れした妄想であり、一部企業の利権を正当化するための方便でございます。日本の1億2000万人のカロリーを植物工場や昆虫食、人工肉で賄うことは物理的・コスト的に不可能です。これは、苦しむ既存の農家を見殺しにし、一部の参入企業が国の補助金で暴利を貪り、それが政治に還流するという極めて悪質な搾取の仕組みでございます。
農家に適正な価格(生産コストを賄える価格)を保障しつつ、消費者が安く買えるように、国がその「差額」を補填する政策(直接支払い・所得補償)を導入すべきでございます。欧米など海外では当たり前に行われている国防政策です。防衛費に巨額を投じる余裕があるならば、国民の命を直接繋ぐこの補填こそ最優先で行うべきでございます。
台湾海峡や日本周辺の海域が封鎖された瞬間に、食料・肥料・種・燃料の輸入が途絶いたします。現在、日本の米の国家備蓄はわずか15日分しかなく、国内の生産能力も限界まで削ぎ落とされております。結果として、他国と交戦する以前に、数ヶ月以内に数千万単位の日本国民が飢餓に直面するという「セルフ兵糧攻め」が完成いたします。これが偽りざる日本の現状でございます。
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